富浦駅 (室蘭本線)

◆ひなびた雰囲気が最高の富浦駅

幌別駅を出た室蘭本線の旅は、苫小牧へと続く。次の駅は富浦駅である。国道を北東に進むと富浦の集落に辿り着いたのだが、駅を探すのにひと苦労させられたのだった。

地図を見てもこの辺りに駅があるのだが、駅舎らしいものがどこにも見あたらない。グルグルと富浦の集落の中を何度も何度も行ったり来たりするのだが駅舎らしいものが見つからなかった。仕方が無いので飛ばしてしまおうかと考えていたそのとき線路の架線が見えたので車を止めてみた。ちょうどそこには線路に続く細い階段があり、小さな古い木造の建物見えた。あった・・・明日の予定があるので飛ばしてしまおうかと諦めかけていたのだが、地図は嘘をつかなかったのだった。

階段を上って駅まで行く。そこにはなんとも言いようのないひなびた古い待合室があるのには、ただ感動するだけだった。オンボロとは言えない、ただ筆者好みのかなり古い小さな待合室だった。駅舎自体はなく、北海道を代表する幹線路線上にもまだこんなひなびた古い駅が残っていたなんて、予想外の展開に熱いものが込み上げてくるのを自身でも抑えられなかった。

とそのとき、大きなレンズの付いたカメラを持った人が、こちらの方に歩いてきた。軽く会釈をして立ち去ったが、この方もまた鉄道を愛する方なのだろう。

そして、辺りを見渡すと来た方向と反対側に2車線の広い道路があった。どうやら筆者は駅裏の方から駅を探していたのだった。どうりで判りにくかったはずだと納得できたのであった。

富浦といえば、内房線にある駅なのだが、ここ富浦は北海道の富浦駅である。辺りには民家も多く、秘境駅ではないのだが、駅の面持ちはそれと同様な寂れたひなびた雰囲気が最高の駅であった。

 

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