竹浦駅 (室蘭本線)

◆食用竹が採れるらしい竹浦駅

虎杖浜駅を出た室蘭本線の旅は、太平洋側の竹浦駅を目指して進んでいく。靄がかかって日も影ってきて少し薄暗くなってきた辺りの景色だ。昼食を食べ満腹になったせいで少し眠くなってきたが、昼寝をする暇はない。何とか今日中に苫小牧まで進んで行きたかったのだった。ほどなくして竹浦駅に着いたが、なかなかいい雰囲気の駅舎と辺りの情景が出迎えてくれた。

駅正面には旧式の公衆電話ボックスと郵便ポストが設置され、都会の最新設備の駅とは一線を画す感じで、20世紀の忘れ物を見たようである。

敷生駅として1897年開業、1942年に竹浦駅に改名された。竹浦駅は駅名にもあるように以前はこの辺りで食用の竹が採れていたことと海に近い地域だったことから竹浦と改名されたそうだ。また、その昔近くに鉄鉱石の鉱山があったころにはトロッコ列車による輸送もあったそうであるが、今はその姿はないようだった。

駅舎内に入ると閉ざされた切符売り場の窓口が寂しそうに佇んでいる。もうこの窓口で切符を買うことはできないのだ、ガラスの向こうに人がいるような、そんな雰囲気のある竹浦駅であった。

 

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