黄金駅 (室蘭本線)

◆金ではなく木だった黄金駅

稀府駅を出て、次の駅は黄金駅である。黄金という名前のついた駅なので、金閣寺のような黄金の駅舎を想像するのだったが、実際はそんなものがあるのだったら、鉄道ファンなら話題となっていて知っているはずである。だから、どんな黄金なんだろうとワクワクしながら黄金駅まで車を走らせるのであった。

国道沿いにあった黄金駅は海に近く、駅舎は予想どうり金ではなく木で造られた駅舎であった。この木の上に金箔を貼り付けると金閣寺同様まさに黄金駅と呼べるものになるのだが、想像するだけに留めて置こう。

駅名の黄金だがアイヌ語で「オコンプウシペ」(昆布のある河口)と呼ばれていたためこの駅は開業時「黄金蘂」(おこんしべ)という名前だったらしい。昭和27年、蘂の字が難しくまた黄金のほうが縁起がいいというので現在の「黄金」に改称されたそうだ。確かに「蘂」という字は難しいが、北海道には「蘂」という地名が付いたところがほかにもある。黄金の意味はアイヌ語の読み方を日本語の漢字に当てはめただけで「金」の意味はないようであった。

時刻表を見てみると数分で普通列車が来る時間であった。ホームに出て少し待っているとキハ40とキハ150の2両編成がやってきた。乗降客は誰も居なかったが、朝夕の通学時間帯には賑わうのだろうと勝手に予測するのであった。

 

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